2015/10/25

最近の出店まとめ

お誘い頂き、はるまげさん主催のGeind Fest@浮間舟渡(10/11)、wombscape企画@小岩(10/17)に出店してきた。。うちのようなよくわからんディストロを誘ってくれるのは本当にありがたい。

その前の週は荒魂GIGに勝手に出店したから初の3周連続出店...楽しかったなぁ...
面白いのは企画に集まってるお客さんの数と売り上げは全く関係してないってことだ。その瞬間の品揃えと、たまたまそこに集まっているお客さんの趣味とマッチングするか否かって感じだ。何も買わなくて話しかけてくるだけの人も多いけど、基本的に出店で大事なのはそこだったりする。現場で話ができることが重要だ。3LAのことを知っている人やtwitterのアカウントしか知らないような人とも最近は話すことで遂に顔と名前が一致するということも増えた。何をやっている人なのか、どんな仕事をしているのかとか、そういうことを話すと偶然にもちょうど自分が知りたいことや頼みたいことを知っているということもある。うーんやっぱり現場での話は思わぬ方向に転ぶので面白い。

しかし自分はなかなか話しかけづらいところもあるらしい。実際にリアルで会っている人と、"俺がネットで発信している3LA"しか知らない人とではそのイメージは違うようで、どうやら相当真面目な人間だと思われているらしい。はっきりいってそんなことはない。かつては"界隈の良心"とまで言われた俺も今では相当にクズ化している。昨日見たAVは乃々果花だったし、その内容よりも女優の境遇(ex.アイドルから転身した)のほうに萌えるというSTYLEを楽しんだ後はシンジ君ばりに呟いたりする。


「最低だ、俺って」




そんな感じで回想録です。

まず、GRIND FEST。

 
   

まずシチュエーション面白かったです。物販スペースは会場の外。
出演バンドはグラインドコアでなくても良いらしい。メインはバンドだけでなく、アートやフード(俺たちのVESPERA!!)、ビール、レコ屋も3LAのほかにもディスクユニオンも参加。まさにアンダーグラウンドのお祭りって感じの開放的な雰囲気で、会場がスケートパークなので会場内ではバンドも演奏しつつだがランプも開放している。全バンドがっつり見ても見なくてもいいという。
あとGO-ZENのスケートランプ奏法は笑ったw
すごいねコレ...


続いてはwombscapeの小岩BUSHBASHでのイベント。
いろいろ用事が立て込んでいたのでオープン後に到着、即カレーオーダー。
小岩BUSHBASHのカレーは本当に"神"って感じだ。
この日は弊レーベルのStubbron FatherとSeeKを収録した4way splitリリース直後ということで両バンドの久ぶりのパフォーマンスが見れて大満足。小岩代表sto cosi cosiも出演していたので、この日はエモバイオレンス祭りになるだろうと予想して、Ebullition音源や激情レア盤を集めて出店した。点数は多くはないが、良いところを揃えたつもりで結果としてかなりのヒット率を叩き出したのはありがたかった。
毎回毎回、あなたがそうか!という出会いがあって嬉しい限りです。

そして打ち上げへ。
このメンツの打ち上げに秩序という言葉は似合わない。関西は打ち上げはほぼ100%って感じがしていて、そこらへんが東京との違いだと思う。打ち上げがあると結構いらんこともたくさん話すんだけど、その必要ないいらんことを話すってことがすげー大事なのかもしれない。あと良い面も悪い面もあるかもしれないけど、先輩後輩の関係も飲みの中で作られるのかも。まぁ僕は面倒を見てくれた先輩って感じの人はあまりいないし(そもそも3LAを始めた初期なんてなんのコネクションも持ってなかった)どちらかというと同志とかそういう言葉のほうが近いと思ってます。もちろんスーパーリスペクトしていますが。








  































それにしても、あの寿司やのぶりなんで10円だったんだ...謎過ぎる。最高。
マグロも美味かった。




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2015/10/23

イベント会場を出禁になったバンドが教えてくれた大切なこと

http://gekion-yawa.net/eventdekin/

この記事の改訂版はこちらになります。

=====

ハロウィーン市場1220億円、バレンタインを圧倒 4年で倍増…SNSが支える人気拡大


という産経の記事を読んで。
まぁそうだよな、と思う。
SNSがどんどん写真とか映像とか直感的なものに特化してきたのはすげーでかいと思う。「面白い!」「誰かに伝えたい!」と思ったものが反射的にシェアされ、拡散される。
リアルの世界とネットの世界をつなぐのはSNS。
少し前はmixiやブログでテキストがシェアされる時代だったと思うが、それでも口コミだけの時代よりもスピード感はあったと思う。実はバレンタインやハロウィンなどはもちろん、ローカルな情報もネットの発達で少し姿を変えていったと思う。

有名なのが「ラーメン二郎」だ。
二郎愛好家の間で"インターネットの一般層への浸透"と"ラーメン二郎の勢力拡大"が時代的にリンクしており、その関係性が深いことはすでに明らかにされており当ブログ読者にとってはまたかよという感じだと思うが、初めての人のために簡単に説明すると「ラーメン二郎」というコンテンツが極めてネット向きだったという話だ。
00年代初頭くらいはまだ大学の新入生が入学後に入ったサークルで先輩から「すげぇ美味いラーメンがあるんだけど...いく?(半笑)」ってな感じで怪しく勧誘されることで二郎と"出会う"のが...いや、それは限定しすぎだが、とにかく出会うまでの導線はかなり限定的だったと思う。先輩からその二郎にまつわる都市伝説やオーダーのマナーなどをレクチャーされ、初対面のビジュアルで衝撃を受け、食後のスラッジさに二度と食うか!と暴言を吐き、1週間後に何故かまた並んでいる、というようなリフを経てハマっていくものだと思うが、個人ブログブーム、そして地続きで起きたmixiブームにより二郎という都市伝説はよりライト層へと尾ひれがついたまま広まっていった。ラーメン二郎とはイベントだったのだ。
話が逸れそうなので少し戻すと、テクノロジーの進化とともに、SNSと親和性の高いコンテンツが急伸してきた時代だと思うんだ、00年代の中盤以降は。

これってすごく大事なことで、口コミがネットの声として力を持ち始めたんだよね。
昔はストリートの声っていうのがあったんだけど、それがネットの声になりつつある。特に「楽しい!」「誰かに伝えたい!」の感情はInstagramやTwitter,facebookで瞬間的に伝わっていく。逆に言うと、人がiPhoneを取り出して写真を撮ろうとしない出来事は多くの人にとってあまり面白い出来事ではなく、どうでもいいのかもしれない。それか完全に夢中になっているか。








そういうことを考えている矢先にmilkcowさんがやらかしてくれていたようでw
僕は見に行ってませんが、Twitterでみんなのmilkcow写真&映像が一気に流れてきて、「天才か....」と声を出してしまいました。
こうやって写真や映像が拡散されることで人々へ与えるインパクトはとんでもないですよね。シーンの垣根を越える!とか言ってても結局拡散されなければ現場で起こっていることって無いものと同じなんです。そこにいた人の記憶に残るか残らないかの。それくらい冷たい世の中です。だって他にも衝撃的な情報はいっぱい溢れているからね。
でも人の記憶にも記録にも残ったこのアクトは伝説的だと思います。
たぶんECHOSのチケット買って損したと思った人はいないはずで、そして、お客さんが「次のイベントもすげーことが起こりそうだ」と期待感を持ってくれればきっと次のチケットも売れます。すべては期待感で動いているような気もします。

ただこれはなんでもかんでもめちゃくちゃやればイイというわけではなくて、milkcowの場合はそれをパンクの範疇の中で表現しているのが天才的だという話です。
これは"プロレスセンス"と言ってもいいかもしれません。
むちゃくちゃなように見えて、会場の空気をコントロールしていますし、エンターテインメント的にもしっかり盛り上げた上で自分の技も魅せていくという高等テクです。前から思っているのですが、プロレスセンスは芸術やる人にとって大事なものなのでプロレス観戦は必修科目でもイイと思います。

つい誰かに教えたくなる魅力的なもの

それはきっと普遍性のある良いものなんだと思います。

音楽の音の部分だけで勝負する、

というのももちろん大事ですが、まずリングにも登っていない場合もあるので、そこは注意しましょうという教訓を教えられたような気分です。

まずは人の目を引けと。

そして必殺技をかけろと。

そんな感じです。
この伝説的なアクトも、実はオーディエンスの期待感とバンドのテンションが化学反応を起こして作り上げてしまったのかもしれません。
当然ですが、会場は出禁とのことです....。


追記;
本当に書きたかったのは人の意識を変革するのは音楽よりもテクノロジーなんじゃないかということを思ってたんだった。(思い出した)
ちょうどジョブスの本を読んでたからなんだけど
良い音楽を作る=ウォズ(アップルのコンピューターを作った人)
良い音楽として売る=ジョブス(アップルのコンセプトを作ってマーケティングした人)
全員がウォズだったらアップルは無かったし
今の僕らの生活ももっと違ったものになっていただろうということ。
それが良いか悪いかわからないけど。
人に届けるとは
人に価値を感じてもらうとは
それはどういうことなのか....






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2015/10/19

音楽レーベルについて考える良い本はないものか

良い本はないものか探しています。

レーベルを始めてから一番参考になったのはGROOVE誌の2011年秋号『人気レーベルのすべて』という特集のあった号。

最近まで貸していたので、また返してもらったので再び読み始めています。
基本的にクラブミュージックというかDJ向けの雑誌なのでパンクハードコア的にはあまり接点がなさそうだったが、パンクやインディのレーベルを特集している書籍もないので何か参考になるものがあるだろうと思って買ってみたのだが、意外とこちら側にも響くものがある。というか、本当に大切なことというのは普遍性があるのでジャンルなんて関係なくなるんですよね。
2011年の号なので、現在はまた状況が変わっている部分もあるんだけど、普遍性のある部分について時代は関係ない。 

特集されているレーベルは設立の経緯も様々だが、DIYでやっているレーベルオーナーの発言は含蓄がある。普通にレーベルとかしてなかったら読み流してしまうような発言が多数。

STONESTHROW「いつも賭けに出て、意外性のある音楽をリリースしてきた」
UBIQUITY「作品をリリースする上で大事な条件はタイムレスでクラシックであるということ」
MAD DECENT「レーベルというのはオーディエンスに何かを伝えるための文脈なんだ」
iK7「どんなジャンルにおいても、インディペンデントでやっている音楽の方が断然面白い」
INNERVISIONS「かつては、レーベルのA&R、ディストリビューター、レコード屋のバイヤーと多くのプロによるフィルターがあり、それらを通過した音楽だけがリスナーの耳に届いた。でも今は音楽の量は増えているのにフィルターは薄くなっている」
BROWNSWOOD「レーベルの役割というのは音楽をサポートし、新世代を応援すること」 

オーナーがDJをやりながら現場に立ち続け、新世代の層とも接点を持ち続けているのも重要だ。きれいごとを言っているんじゃなくて、そうじゃなきゃダメなんだと結論に行き着いているのがわかる。

フォロワーを育てることを怠ったシーンはすべて衰退している。
逆に周りからダサいと言われても、若い層に向けてメッセージを発信し続けているシーンは今、その成果が出てきて明暗が分かれていると思う。
ディストロごっこ、レーベルごっこじゃなくて、本物が求められている時代だと思います。


GROOVE AUTUMN 2011 サウンド&レコーディング・マガジン2011年11月号増刊
GROOVE編集部
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2015/10/17

90'sの日本語ロックは今聴くと結構かっこいい



んだよなぁ。
ele-phantのアルバム聴いてから、やっぱ日本語めちゃくちゃかっこいいなと思い色々昔聞いていたものを聴き直しています。でも今の2010年代以降の日本語ロック聞いてても全然何も響かないウンコでしかなくて...それは一体何が違うんだろうと考える。好みの問題で片付けずに真面目に考える。聞いてたものの中から90年代後半のものをピックアップしてみました。

90年代後半は日本語ロックンロールをキッズに広めたミッシェルとかブランキーも流行って、グルーブマスターのTheatre Brookもブイブイ言わせてて、オザケンが日本語詞を追求してて、フィッシュマンズとかもいて色々な方向ですげー金銭的にバブリーだったのと同時にすげー音楽的な時代だったと思うんだけど00年代以降どうしてこうなった?って感じです。当時は何もかもがJ-POPという枠に無理やり押し込められていたので、不自由さもあったと思いますが、逆にいえば広い世界への導線はきちんとできていたように思います。オザケンをDIGれば、彼らがどんな曲の作り方をしていたかもインタビューで出てきます。モータウンとかのレコードを片っ端から聴きまくって最初の10秒くらいでイントロで掴みのない曲はすぐ次の曲へ、というような聞き方をしていたと答えて、そのときはなるほど〜〜〜って思った。オザケンの曲ってイントロ力強くてすげーコマーシャルなんですよね。というか、作り手のレコード聞いている量が尋常じゃなかった時代だと思います。

そういや昔、Firestarter(ex.Teengenelate)の人が少なくともレコード2000枚聴いてない奴とはバンドはできないと言っていたのを覚えているが、いま考えると2000枚でも少ないよなぁ。ディストロで今までレビュー書いてきたのが5年で2000枚くらいだから5年間普通に音楽買って聞き込んでたらそれくらいまでいけちゃうってことだし。聞くのとコピーするのと作るのはまた違うけど、たくさん聞かないとかっこいいポイント、切り口が甘いくなるのも確かだと思う。量が質を担保するって考え方を信じる。そうやってやってきた。

そんなことを先日レーベルの翻訳してる人とトークしていたのですが(いっしょにele-phant聴きながら)、やっぱりなんもかんもBump Of Chickenが悪い!という結論に達し、それは冗談としてもボーカリストが詞について向き合い方が変わったように感じます。クラシックを学んでいない。ミッシェルもブランキーも僕らの上の世代からは馬鹿にされてたように感じますが、少なくともロックンロールの歴史で重要だったビート詩人たちを絶対に読んでいる詞を書いています。詞であれ音楽であれ何かしらロックの文脈に沿ったものが生まれていた時代だし、それが受け入れられていた時代なのかも。Mr,ChildrenもマジでRadioheadだしGoing Steady〜銀杏BOYZもUKロックの流れを汲んでいます。ジャパンにとっての邦楽って当時まだ歌謡曲と洋楽とのクロスオーバーだったと思う。洋楽へのコンプレックスだったのかもしれないが、日本独自の邦楽ってのが00年代以降なのかなぁ。まぁ、90年代から今も活躍している人の歌詞もまた歌謡曲に逆戻りしているような気がするけれど。日本語歌詞について考えることも少なくなっていたけど、これからまた色々聞いてみようと思いました。

なんにせよele-phantのTOBIRAはまじで買ったほうがいいですよ。
3LAでもAmazonでも良いんで...。


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2015/10/16

ボッさんことtha BOSS(from THA BLUEHERB)のソロ聴いてます

IN THE NAME OF HIPHOP(2CD生産限定盤)
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『TOTAL』を聴いて、もういいかなぁと思っていたがやっぱり買ってしまった。

そういや昔3cm tourがERAでブルーハーブのオープニングアクトやってたなぁというのを思い出しつつ、我々あの頃思い描いていた未来よりずっと先まで来ました。TBHは2ndのSell Our Soulが出たときに存在は知っていて、THE LINERSやってたときに登戸のスタジオでよく深夜に店員がかけてたなー。そのあとyoutubeがだんだん大きくなってきてフジロックの「ill beatnik」の動画みてやられたんだよな。で、当時はP2P違法ファイルやりとりが盛んだったのでLimewireで音源を落としまくった。今じゃ考えられないが、当時は緩かったしネット上に勝手に録音されたライブ音源なんかもたくさんあった。

がっつりハマっていた時期を抜けて、いまはブルーハーブも冷静に見ている。当時何回も聞いていたリリックが呪文だったことに気づいたのは仕事をやめてからだった。あんだけたくさん聞いたのに言葉の意味が、そういうことだったのかとわかるのは今になってのこと。現実問題を何ひとつ解決することのない"呪文"の言葉をなぜあんなに信奉していたのか、いまはわからない。とにかく俺もキッズの心があったし聞いてて気持ちよくなってた。でもそれじゃダメなんだ。ラップだろうとハードコアだろうと気持ちの良いだけの言葉を繰り返しても何も救わない。つまり自分はボッさんの言葉の真意まで理解していなかった。"呪文"にしてしまうと、どんな崇高な言葉も、古びた会社のスローガンと同じように無意味なものにしかならない。ということに気づいて、また別の視点で聴けるようになりました。

ブルーハーブのライブはPhase3とされる時期以降のライブしか体験してないんだけど、そのライブのテイストと実際の音源とのテイストは結構ギャップがあって、『TOTAL』のときはさらにその溝が深まって聞くのも疲れるし全然聴き込まなかった。このソロ作はブルーハーブのライブのほうのテイストにより近いものになっていると思う。音も『TOTAL』よりずっと直球で感じで好みだし、方向性も明確。田我流とか客演陣もかっこいい。でもB.I.G JOEとの曲はそんなに印象に残らなかった。ゆーざろっくとの曲は....、やっぱり特別なものが宿っていると思う。歌われている内容もバッキンザデイものが多くて、人生の折り返し時点を過ぎて、まだまだやりますって宣言にも聞こえるし、これで死にますって遺書のようにも聞こえる。

追記;これ、追記というか訂正なのですが、最初微妙かなと思ったB.I.G Joeとの曲が結果的に一番聴いてる曲になってました。後から効いてくる。今はこの中でも最高に好きな曲になった。




1stでブレイクした時の彼らはちょうど30代くらいだし、44歳になって今の彼らのライフステージと自分の現状とが違いすぎなのは...って感じなんだけど自分にひっかかる言葉はとても多い。なんでも激情ハードコアに置き換えるのが悪い癖なんだが、30代、40代と、成長して見えてる景色を歌えるかってところで、かっこいい生き様を提示できるかっていう面で負けちゃいけないなー。今のバンドシーンに若者がいないってよく言われるけど、若者が憧れるだけのかっこいい音と生き様晒している人がいくらいるのかっていう話にもなりそう。「ああ、俺もそう思ってたよ」って思えるバンドがいくつあるんだろう。いわゆるシーンの最先端にあるクロスオーバーの音楽は若いバンドが多いから余計にそう思うんだけど、ポジティブに未来を描けている人ってあんまりいなくて刹那的。レーベルとかディストロやってるすこし上の人間がそういうことを考えているのかな。がんばってサポートしたりインタビューしたりしたバンドがあっさり解散したり。長距離走者の孤独。あ、これもB'zなんだ。(悟り)

では自分はどうする?わからん。
成功したいんだって人と組みたいとは思う。
若いバンドには若いバンドでないと見えないことがあるし、30代、40代でもきっとそこからしか見えないことがあるね。そういうのを歌われると涙腺が緩みますね。おっさん化してんだろうな。

↓オープニングからコーヒー吹いてしまったw

でも最後まで見てしまうんだな。

2015/10/12

アンダーグラウンドなバンドが平和な街に出て演奏するとどうなるか〜京王線と小田急線が交差する時、物語は始まる〜



物語の舞台となるのは、東京・多摩丘陵。
都市部の住宅難を解消するために建設されたニュータウンによって、住処を追われることになったタヌキたちが、自分たちの故郷を守るために人間相手に戦いを挑んでから既に20年が過ぎていた。郊外に建設された巨大な人工都市『多摩センター』は今や人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
多摩センターは京王相模原線と小田急多摩線、そしてモノレールがクロスオーバーする多摩市、町田市、相模原市の国境付近に位置し、その駅前はサンリオ・ピューロランド、ベネッセ(a.k.a 進研ゼミ)の本社ビルが見下ろし、クリスマスシーズンには恋人達を祝福する巨大なイルミネーションに包まれる。そんな平和な街に年に一度開催される"荒魂GIG"は、圧倒的な違和感を持って存在感を発揮し続けている。

「第1話 Broiler大地に立つ!」


























荒魂ギグとは?
http://aratamagig.blogspot.jp/2013/09/2010daybreak-noiseincident-20102011.html

2010年からDAYBREAKと満州候補者で企画していた『NOISE+INCIDENT』が『荒魂ギグ』と改名され開催されているDIYなパンク・ハードコア祭。名前の『荒魂』の意味は「荒々しく活動的な作用をする魂の働き」という意味があるらしい。そこから転じて新しいものを生み出す力、などという解釈もあるとのこと。自分は八王子市に住んでいるときは隣駅で開催されていたので観に行っていて、去年は出演者でも出ましたが今年2015年は普通に客&ディストロ出店(勝手に)という形で参加させて頂きました。



この『荒魂ギグ』が普通の野外イベントと差別化され、楽しみにされている一番の理由はそのシチュエーションにあります。普段は文字通り地下ライブハウスのシーンで活動を拡げるアンダーグラウンドなパンク、ハードコア、メタルと言ったエクストリームな音楽を奏でる爆音バンドが平和な街に出て来て演奏するのですが、会場が街の一角の公園にあり比較的通行人が多い場所であるということもあり、本来出会うことの無い、出会う必要のない"あちら側"と"こちら側"の人間の交流が生まれる"場"が発生します。
このイベントの参加者とは出演者やオーディエンスだけでなく、一般市民である通行人も強制的に含まれる可能性があり、なんとも予測不可能な要素と、それら一般市民から放たれる冷たい視線が「むしろ気持ち良い」というドM的発想から来る謎の高揚感が時としてバンドに思わぬ作用を及ぼし、伝説的なアクトが成立することもしばしば。



今や伝説となっている2013年のCosmic Neuroseのアクトは僕も実際に見ていましたが、インパクトのあるステージングというのは、パンク・ハードコアを聞いたことがない人をも惹き付ける魅力があり、これぞパンクというエネルギーに満ちあふれたものでした。そもそも、ライブハウスやスタジオライブなどで人が来るのを待つようなスタイルではなく、自らアウェイな場所に身を乗り出して行く姿勢こそ、今のシーンに必要なことかもしれません。わけわからないままエクストリーム音楽を楽しむ家族連れ、女子高生、老夫婦なども確認できるのはとても面白いです。"無理矢理にでも接点を作りだす" ←これってすごくクリエイティブなことじゃないですかね。うるせえ..と思っている通行人の方も多いと思いますが、面白がってくれているキッズの中にはパンクなどに理解が生まれ、後にこれはそういうことだったのかと分かる日が来るかもしれません。ライブハウスに客が来ない、と嘆くのではなくポジティブに外へ出て、煙たがられ、それでも工夫を凝らしてまた出て行く、と。ライブハウスの中ってある意味、守られていますからね。もっと外へ出て行こう。そういうメッセージを勝手に受け取りました。



先日Tokyo Unlearnedに招いてくれた安藤さんがギターを弾いているKowloon Ghost Syndicateも出演していました。Voの笠沼さんはMCでしっかりイベントの趣旨やカンパが寄付に使われることなども説明していて、時にシリアスにMCすることはただ馬鹿騒ぎしているだけじゃないってことが伝わるし、流石だなぁと思いましたし、その後の安藤さんのMCはバンドマンでも結婚できるしなんなら住宅ローンも組める!という謎のアピールでした。大変勇気づけられます。ディストロもNovembre Records,Unknown Pleasure,3LAという感じで勝手に路面に展開していく感じも面白かったです。好きなようにみんな何か持ち寄ってくるのも面白いと思います。去年は某バンドの方がリリカルスクールのCDを配布していましたし。


























今回2015年の荒魂GIGのトリを飾ったのは以前ブログでも取り上げたBroiler。(Broilerについては過去記事『Mr.Childrenから受けたトラウマをGrindに昇華して叫ぶBROILERというバンド』参照)
やっぱり暴れ回っているバンドが出てくると通行人も面白がったりしていて、隣接する立体駐車場から見下ろしている家族連れもちらほら。女子高生にも人気でした。パンクやメタルといったエクストリームな音楽のリスナーというのは過去にそういった音楽の"洗礼"を通過している人達ですが、パンクの衝撃を与える一番のシチュエーションって不意打ちだと思っていて、洗礼をまだ受けていない人達に向けての不意打ちはライブハウスではなくて街中で予想外の展開からの一撃っていうのは大いにアリだと思いました。
うるさい音楽をうるさい音楽しか鳴っていない空間に持ち込んでもノイズにはならないんですよね。うるさい音楽を効果的なものにするには静かな空間に持ち込む事。周囲の状況とは異なる「違和感」を作り出すことがインパクトを作り出すことのヒントになるはずです。どうやって音楽に耳をかたむけてもらえるのかを考えた時、音楽だけでなく、どんなシチュエーションでそれが鳴らされているのか、も考えるべきなんでしょう。

Cosmic Neuroseは来週、多摩センターにCOME BACKするそうです。必見。





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2015/10/03

怒りが、音楽の質を担保する。(怒れ若者編)

前回に引き続きTokyo Unlearnedにて収録された後編は公開されました。
前編のときの記事はこちらになります。
相変わらずハイコンテクストというか背景を説明不足すぎるなぁ,,,
トーク力養成セミナーとか行きましょうかね。

http://tokyo.unlearned.fm/post/130192484617/episode-37-20150930-interview-with-mizutanilong

主にネオクラストについて語っていますが、「音楽の定義」などはなるべく簡単な形で紹介させてもらいましたが、奥のほうへいけばもっともっと深く入り組んだ世界が待っていると思います。以前、ネオクラストが盛り上がって注目されていたときに書いた3LAのネオクラスト記事と異なるのは、僕はこの動きを「クロスオーバー」として定義しなおしていることです。何をもって「ネオ」とするのか。ネオクラスト以降のポストメタル化、ブラックメタル化の動きも、この「ネオ」について考えると捉え易くなるのでは?
キーワードは探究心。

僕は音楽をただの空気の振動だとは思っていません。新しい領域に踏み込んで行こうとする人の冒険心、探究心、勇気について語ることは大切なことだと思っています。結果がどうであれ、僕らが音楽から受け取ったもの、そして伝えて行きたいものは空気の振動だけではないということです。ネオクラストに限らず、パンクやハードコアを語るというときに思想も語らなければ嘘でしょう。

00年代後半に激情ハードコアは失速した、と語りました。多くのバンドがテンプレ化の罠にハマり重要なコアの部分を見失っていました。スペインの片田舎である時代に大量発生したネオクラストバンドはヨーロッパ、そして東欧、アジア、アメリカに流通していきました。ジャンルを流行らせたのはドイツのAlpinistの登場、そしてアメリカで誕生したMasakari、両者が奇跡のスプリットをリリースしたのが2011年。SouthernLordもディスコグラフィ音源をリリースし、Deathwishもそういった音楽性のバンドに寄って来た印象がありました。その後、両バンドとも活動を停止し、盛り上がるかに見えたムーブメントはゆっくりと失速していきました。ネオクラストだったバンド達も音楽性を変化させていきました。幸運にもジャンルとしての形は残り、日本や東南アジア、ロシアやウクライナなどで未だに良い動きが生き残っています。

Alpinist等の第三世代のネオクラストと、スペインのオリジナル勢とを比べるとその方向性は真逆だったと思います。激情ハードコアやメロディック、モダンハードコアとクラストサウンドの組み合わせ、と捉えるのはわかりやすいのですが、スパニッシュ勢はそのクロスオーバー以前に、カスカディアンブラックと同じように自分達の民族、国、流れている血の中に一体何があるのかを見つめなおしたんだと思います。
キリスト教以前に元々の宗教が存在したヨーロッパ諸国とは違い、アメリカの場合は自分達のほうが侵略者ですから、キリスト教憎しという風にはならず、人間はどこから来たのか、どこへ向かうのか、という辿り方をしたのがカスカディアブラックだと僕の中で認識しているのですが、まず大地を讃えそして宇宙へ向かい、最新アルバムで観念的なアンビエントに辿りついたのは納得のいく説明ができます。その三部作からの変貌について納得のいく説明をしたレーベルやディストロ、レビューサイトなどはあったのでしょうか?当時は見つけられませんでした。それはひとまず置いておいて、ネオクラストに関しては核となるのはスペインの血の部分ではないでしょうか。Ictusの歌詞を翻訳していた上地さんも歌詞や言葉の中にあるニュアンスを捉えるために、スペインの歴史から調べながら翻訳をしてくれたのを思い出しますが、あの国の持っている歴史をやはり音楽やその思想に反映していると思います。諦めにも似た怒りや哀しみの感情です。
いま日本や東南アジアが熱いと語っていますが日本の魅力、そこをいかに掘り下げられるか、というところが重要ですよね。

福島郡山の話は前回ブログに書いていた内容でしたね。話した事も忘れてて先走って書いてしまっていました。僕のことを「ネオクラストのドン」と安藤さんは言ってくれましたが、僕より詳しい人は鬼のようにいて、ハードコアというジャンルに関していえば僕はニワカもいいとこだと思っています。でも一つハードコアの良さをあげるとするなら、怒りのエネルギーがとてもポジティブなものを生み出すということです。

怒りについてですが、怒りはとにかく大事です。
3LAディストロを始めた時、レーベルを始めたとき、やはりそれなりに現状に対して怒りは持っていました。始めた当時は本当にエモや激情ハードコアのレビューはポエムみたいなものばかりで読むに値するテキストはほとんどありませんでした。むしろ2chやmixiを重宝していました。あのときの感情があったので今でもレビューは大切だと思っています。レーベルを始めたときにスペイン語の翻訳をうえちさんに頼んだとき、彼も当時リリースされる洋楽の日本語訳についてよく怒っていました。僕もたいしたことも言っていないライナーノーツに対して不満をずっと持っていました。俺等はこうなっちゃいけない。その怒りが結果としてポジティブなものになったと、今では思います。こうしてお誘い頂ける日がくるとは思いもしませんでした。

先日、激情ハードコアがいまやギターロックのサブジャンルに組み込まれているという話をみちのくさんから聞かされたときもそうですが、そういったことに怒りを感じるか感じないかということが分かれ道になるのかもしれません。激情ハードコアが「ギターロック」とかロキノン系のヤワい音楽の一部として認識されてしまった原因は、怒りも思想もない「激情ハードコアみたいな音楽」を垂れ流す「激情"系"」とされるバンド達にあると思っています。そんなつまらん馴れ合いのシーンに甘んじる先輩バンド達に迎合するのではなく、「そんなもんがあんたらの激情ハードコアなのかよ!!俺たちはこうだぜ!!」と、熱いDISを浴びせかける若き激情ハードコア(しかも新解釈)が出て来たら僕は断固支持します。この閉塞感に怒りは感じてないのでしょうか?むしろこのネガティブな状況はチャンスだと思うんですが。何かに不自由を感じるなら、そこに創造性の働く余地があります。

怒りの質が、音楽の質を担保すると言っても過言ではありません。逆に、現状に怒りがないなら怒りの音楽をやっても嘘にしかなりません。演じるだけっていうのも結構惨めだとおもいます。ネオクラストについてもメロコア的扱いをされることには怒りを覚えますが、その怒りがいまこうしてテキストを書かせていると思うと、本当に怒りが消えてしまった瞬間、人がどう変わってしまうのかが怖いです。そのときは廃業ですね。

ここまで読んで、他のバンドと一緒にするんじゃねえカス!という怒りを持っている若い激情バンドがいるなら是非うちのレーベルと組んでほしいです。ご一報ください。


最近いろいろなことを考え直しています。
自分が本当にやるべきことは何なのか。



P.S.
完全に余談ですが、福島についていったマレーシア人のひとりが同行者に洗脳され、帰国後やたら日本のアイドルのツイートをRTしてくるようになってしまいました。
僕はどうしたら良いでしょう...



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