2015/08/10

Ebullitionの話から始めるシーン断絶の話

(続き)

Ebullition Recordsの示した切り口、新しいハードコアの可能性こそが日本で「激情ハードコア」と呼ばれる音楽の原点のようなものだと思うけど。
日本での話になりますが、もちろん日本のシーンに影響を与えているのはEbullitionだけではないことは前提の上でですが、There is〜とかKularaとかそういう界隈でオリジネイターとして今も語り継がれている人達が、活動当時提示していたものが何故今も語り継がれているかというと音楽だけでなくてそこに思想や新しい切り口、視点があるから音楽にもEbulltion同様に強度があるように感じるわけです。なので、僕もディストロという活動を通して好きな音楽を音だけでなくその中身を語り継がなきゃいかんと思うのです。基本的に多くはリアルタイムじゃないので後追いならではの視点もあると思うしね...。時間が経った音楽にはガンガン解釈を加えていって良いんじゃないかという方向性です。

そんなKularaのメンバーが現在関わっているMERMORTの2ndアルバムレコ発が先日行われて、しかもenvyのダイロク氏がドラムを担当というエポックメイキングな一夜があったのですが(ライブ映像があがっていないのが惜しい)これが本当にキラーな内容だった。ライブでの演奏の切れ具合もそうだし、表現しているものをなんとも形容できないが、これこそ激情ハードコアやエモ/ポストロックの未来の可能性なんじゃないかとすら感じさせる刺激的なものだった。共演していたPOWERや2UPなど、先駆者たちが今現在鳴らしている音にはオリジネイター故の何かが詰まっている。言葉にできなかったり、映像でも伝わり切れない「この感じ」がライブシーンの最後の砦のようにも思えます。

この場所に激情ハードコア好きな若いリスナーがほとんど集まっていなかったことはなんとも惜しいなとも思ったが、導線の問題なんじゃないかとも考える。シーンはどこかのタイミングで断絶しているようだ。



若いリスナー、と言えば先日高円寺の二万電圧に3LAで出店させて頂いたときに色々な話を聞いたのですが、「若いバンドで何か良いのないですか」という話で当ブログに度々登場する加川氏から「『明日の叙景』というバンドがイイヨ」と聞いたので今度タイミングが合えばライブを見に行こうと思っています。20代前半くらいのバンドでどんなバンドが良いの?という話題すら情報が我々の耳には届いてこない。これもシーンの断絶の話だと思う。もっとこういう話はオープンにしていけば良いと思うが、ネットには情報が溢れ過ぎている。情報の信頼度が問題だ。

音楽を語る場所は必要ですよね。
それこそ江古田ポレポレポレとかはきっと良い効果が生まれて行く筈。

POLYGON
POLYGON
posted with amazlet at 15.08.16
MERMORT
RINNE RECORDS (2015-09-23)

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