2014年10月2日木曜日

葛飾北斎

先日上野の森まで葛飾北斎展を見てきた。
完全にストレートエッジな生活をしながら死ぬまで自分の絵を発展させ続けたストイックな人というイメージの北斎。アーティスト的なイメージで語られることが多そうだが、彼の芸術的価値を決定づけたのは誰か?という点について考えながら見ていた。それは19世紀にヨーロッパで流行したジャポニズムによるところが大きい。遠近法などの西洋絵画の表現技法を取り入れた浮世絵というものが幸運にも欧米の芸術史の文脈に少しばかり関係性を持てた故に北斎は評価されたのだと、そういうような印象を持った。浮世絵は貴族のものではなく町人文化だ。そして絵師、彫師、摺師の分業により大量生産可能な商品だった。国内で考えられる"アート"とはほど遠い代物だろう。それが西洋芸術文脈で評価され今に至っている。もし浮世絵が国内でしか流通しなかったら、その芸術性も何も評価されなかっただろう。芸術作品のディストリビューションと批評は重要だ。現在音楽アンダーグラウンド界隈に目を向けても日本には芸術を文脈に紐づけて語れる者がもはやほとんど存在していない。専門誌はただの広告、レビューもインタビューも特集も金で買われていく。全てが宣伝文句でそこには批評の精神は無い。「歴史的名盤だ」という文句を見かけても何故そうなのか、誰も語ろうとしない。それとも音だけで十分なのだろうか?ここ最近の考え事のテーマでもある。このテーマについて書かねばならない。ディストロ/レーベルを始めて遂に気づいた。我々は既に次のフェイズに足を踏み込んでいる。言うなれば「サウンドの向こう側」である。(ドヤァ)

北斎展11/9まで。
http://ukiyoe.exhn.jp/