2015/10/23

イベント会場を出禁になったバンドが教えてくれた大切なこと

http://gekion-yawa.net/eventdekin/

この記事の改訂版はこちらになります。

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ハロウィーン市場1220億円、バレンタインを圧倒 4年で倍増…SNSが支える人気拡大


という産経の記事を読んで。
まぁそうだよな、と思う。
SNSがどんどん写真とか映像とか直感的なものに特化してきたのはすげーでかいと思う。「面白い!」「誰かに伝えたい!」と思ったものが反射的にシェアされ、拡散される。
リアルの世界とネットの世界をつなぐのはSNS。
少し前はmixiやブログでテキストがシェアされる時代だったと思うが、それでも口コミだけの時代よりもスピード感はあったと思う。実はバレンタインやハロウィンなどはもちろん、ローカルな情報もネットの発達で少し姿を変えていったと思う。

有名なのが「ラーメン二郎」だ。
二郎愛好家の間で"インターネットの一般層への浸透"と"ラーメン二郎の勢力拡大"が時代的にリンクしており、その関係性が深いことはすでに明らかにされており当ブログ読者にとってはまたかよという感じだと思うが、初めての人のために簡単に説明すると「ラーメン二郎」というコンテンツが極めてネット向きだったという話だ。
00年代初頭くらいはまだ大学の新入生が入学後に入ったサークルで先輩から「すげぇ美味いラーメンがあるんだけど...いく?(半笑)」ってな感じで怪しく勧誘されることで二郎と"出会う"のが...いや、それは限定しすぎだが、とにかく出会うまでの導線はかなり限定的だったと思う。先輩からその二郎にまつわる都市伝説やオーダーのマナーなどをレクチャーされ、初対面のビジュアルで衝撃を受け、食後のスラッジさに二度と食うか!と暴言を吐き、1週間後に何故かまた並んでいる、というようなリフを経てハマっていくものだと思うが、個人ブログブーム、そして地続きで起きたmixiブームにより二郎という都市伝説はよりライト層へと尾ひれがついたまま広まっていった。ラーメン二郎とはイベントだったのだ。
話が逸れそうなので少し戻すと、テクノロジーの進化とともに、SNSと親和性の高いコンテンツが急伸してきた時代だと思うんだ、00年代の中盤以降は。

これってすごく大事なことで、口コミがネットの声として力を持ち始めたんだよね。
昔はストリートの声っていうのがあったんだけど、それがネットの声になりつつある。特に「楽しい!」「誰かに伝えたい!」の感情はInstagramやTwitter,facebookで瞬間的に伝わっていく。逆に言うと、人がiPhoneを取り出して写真を撮ろうとしない出来事は多くの人にとってあまり面白い出来事ではなく、どうでもいいのかもしれない。それか完全に夢中になっているか。








そういうことを考えている矢先にmilkcowさんがやらかしてくれていたようでw
僕は見に行ってませんが、Twitterでみんなのmilkcow写真&映像が一気に流れてきて、「天才か....」と声を出してしまいました。
こうやって写真や映像が拡散されることで人々へ与えるインパクトはとんでもないですよね。シーンの垣根を越える!とか言ってても結局拡散されなければ現場で起こっていることって無いものと同じなんです。そこにいた人の記憶に残るか残らないかの。それくらい冷たい世の中です。だって他にも衝撃的な情報はいっぱい溢れているからね。
でも人の記憶にも記録にも残ったこのアクトは伝説的だと思います。
たぶんECHOSのチケット買って損したと思った人はいないはずで、そして、お客さんが「次のイベントもすげーことが起こりそうだ」と期待感を持ってくれればきっと次のチケットも売れます。すべては期待感で動いているような気もします。

ただこれはなんでもかんでもめちゃくちゃやればイイというわけではなくて、milkcowの場合はそれをパンクの範疇の中で表現しているのが天才的だという話です。
これは"プロレスセンス"と言ってもいいかもしれません。
むちゃくちゃなように見えて、会場の空気をコントロールしていますし、エンターテインメント的にもしっかり盛り上げた上で自分の技も魅せていくという高等テクです。前から思っているのですが、プロレスセンスは芸術やる人にとって大事なものなのでプロレス観戦は必修科目でもイイと思います。

つい誰かに教えたくなる魅力的なもの

それはきっと普遍性のある良いものなんだと思います。

音楽の音の部分だけで勝負する、

というのももちろん大事ですが、まずリングにも登っていない場合もあるので、そこは注意しましょうという教訓を教えられたような気分です。

まずは人の目を引けと。

そして必殺技をかけろと。

そんな感じです。
この伝説的なアクトも、実はオーディエンスの期待感とバンドのテンションが化学反応を起こして作り上げてしまったのかもしれません。
当然ですが、会場は出禁とのことです....。


追記;
本当に書きたかったのは人の意識を変革するのは音楽よりもテクノロジーなんじゃないかということを思ってたんだった。(思い出した)
ちょうどジョブスの本を読んでたからなんだけど
良い音楽を作る=ウォズ(アップルのコンピューターを作った人)
良い音楽として売る=ジョブス(アップルのコンセプトを作ってマーケティングした人)
全員がウォズだったらアップルは無かったし
今の僕らの生活ももっと違ったものになっていただろうということ。
それが良いか悪いかわからないけど。
人に届けるとは
人に価値を感じてもらうとは
それはどういうことなのか....






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