2015/09/25

Tokyo >>> Fukushima Unlearned

Endzweck上杉さんと Kowloon Ghost Syndicate安藤さんにより運営されているパンク・ハードコア界の情報を発信しているネットレディオ、Tokyo Unlearned FMにゲスト出演させて頂きました。
1リスナーからディストロ、そしてレーベルを始めるまで、いろいろ語っています。話が長くなってしまったため、前編/後編にわけて収録しています。

http://tokyo.unlearned.fm/post/129677996787/episode-36-20150923-interview-with-mizutanilong

前編ではこれまでの3LAの活動を振り返るような内容なので、以前から3LAをチェックしてくれている方には既知の内容が多いと思いますが、後編では世界のネオクラストについても触れており、現在進行形アジア・ネオクラストについて公に言及したのは初だと思います。他の回も合わせて、是非チェックしてみてください。

ちなみに私の一番好きな回はMINORxUさんが出演されている回ですが、僕の語っている内容もその回を聞いた上で聞いて頂けると流れがわかるかと思います。自分の語りを聞いてて思うのは、とにかく説明がないというか主語や目的語が抜けてるから、聞いてるほうはそれを補って聞かなきゃいけないんだなぁと思って反省しています。また、収録外の時間でも激情ハードコアを聴く高校生のことで盛り上がったり、安藤さん個人への自分の疑問をぶつけてみたりして、いろいろな発見もありました。

内容のほうですが、最初にkillieをかけさせてもらったのは、自分にとって単純にkillieが英雄だったからです。上の代の人にとってのenvyは特別な存在だと感じているけど、僕からすると、ある時点で新しい景色が見えていて、その景色が見えた上で自ら踏み出して"あちら側"に渡っていた人達だと思っています。killieも蝶蛾の時点で次の景色を見ていたバンドだと思っています。彼らは変化を望んで踏み込んでいったバンドです。自分が感じたシンパシーという点においては、killieにはenvy以上の思い入れがあるわけです。リアルタイムだしね。だから、自分より下の代のリスナーがenvyやkillieを崇拝する気持ちとはまた別なんだと思っています。

その世代的なところはMINORxUさんの回を聞けばよくわかると思います。90年代終盤から00年代初頭にかけての所謂DIYパンクシーン、そして00年代中盤から終盤にかけての激情ハードコアシーン、それらもまた世代的な隔たりはあるけれど...では2010年代は何があるんだ?なにか特筆すべきカルチャーは残せているのだろうか?SNSに投稿されているものが残るはずないと感じていますが...。
インターネットがいろいろなものを壊しました。メディアを個人が持てる時代になり、多くの壁が取り払われた事により、自由がひろがったように見えて、パンクのもつ音楽の意味も薄れている様にも感じます。MINORxUさんが、当時のバンド達が上に登って行くと同時に、シーンも消えて行ったというようなことを言っていますが、まさにその通りだと思います。ツールに関しても、こんなものがあればいいのにと思っていたネット以前の人達のほうが、最初からネットに触れている今の世代よりもネットを使いこなしています。

ただネットが発達したことにより良い事もいっぱいありました。東京だけがシーンじゃないという当たり前の事実、多くのグッドバンドにリーチしやすくなりました。それによって東京という存在に対して感じている閉塞感を打破する鍵は、地方=東京以外にあると感じるようになりました。ネオクラストの勃興はスペインのガリシア地方の田舎町、シーンの中心とはほど遠い距離を保った場所からひとつのオルタナティブな動きが生まれました。日本で言えば、東京ではなく姫路からジャパニーズネオクラストを名乗るバンドが現れた事もある種の必然だったのかもしれません。

先日は福島にBand of Accuseの企画(sekienやGOUMも出演)を観に行きましたが、対バンもネオクラスト、クラスト、ラップコア(?)でDJも70'sパンクやヒップホップをかけ、お客さんも革ジャンやスキンズのような人もいて混沌としていましたが、この多様性を許す感じが新しいものが生まれる隙間になっているようにも感じました。東京はそれぞれの界隈で固まってしまっていて、意外と界隈間の交流は少なかったりします。新しい人(=ノイズ)が入り込む隙間がないんですよね。地方だと音楽人口自体が少ないが故に、ジャンルは違っても協力し合ったりというのは当然のようにあるそうです。福島の企画には何か新しいものが生まれるヒントがありそうな気はしました。いっしょに同行したマレーシア人x2名も日本のバンドに感激しまくっていましたね。

人間の思考はパターンを分析して整理しようとするそうです。その理解をはみ出したところに本当の創造性があると思います。いかに「はみ出すか」を考えると、シーンの主流から距離を置いて考える、という状況は必要です。中に入り込むと見えなくなるものは多そうです。

3LAはいまでも結構距離の取り方は気をつけている。
進んで近づいて行くこともあるけど、いつでもオルタナティブな提示の仕方をしたい。
だから今でも考え続けている。
Unlearnedっていう言葉は「無教養な」という意味があるそうです。「無知の知」という言葉があるとおり、自分が何も知らない、という姿勢でいる限りは学ぶことが出来ます。「俺は知っている!」という情報強者的なスタンスは、意外と見落としていることも多いと思いますよ。

まぁこのラジオ、僕の回はあんまり需要ないですよと言ってたんで反応はどうだかわかりません...。


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