2014/05/06

趣味と実益を兼ねる音楽取引販売(Amazon編)

Amazon販売に関して、商品の登録と出品についてQ&Aを別エントリにまとめました。
その中で思った事がまずAmazonに登録する前に自分がどうしたいのかを決める必要があるなと思いました。Amazonは手軽とは言っても事業者コードを取得する過程(約13000円)や、大口出品アカウントの取得(無料または月額4900円)はお金がかかっているのでリスク0ではありません。ただリスクを取らずして恩恵だけ頂こうというのは無理な話ですので、バンドとしてリスクをどの程度とっていくのかという話と、見込み販売数が何枚くらいでそのうち何枚がAmazonで売れたらOKなのかという話は決めておきましょう。

Q&Aでだいたい書いてしまっていますが、追記として書いておきたいことも残しておこうと思います。
別エントリで書こうと思っている内容とリンクする部分でもありますが、このやり方を金儲けのやり方だと思うかどうかは受け手に任せます。僕は利益を追求するのではなく多くの人に作品を聴いてもらいたいと思うのならば、なおさらAmazonを利用しない手はないと思いますがね・・・。
作品は聴かれたがっている。っていうのは大前提にあります。

①Amazonでの販売は自分のリリース以外でも可能
実は大事なことなのですが、自主制作音源を作ると最初ある程度のCD取扱店に出荷すると思いますがそれだけだとおそらく数百枚単位で初回プレス分が余るのではないでしょうか?残りはライブで売る?あと何回のライブで何枚売れる?毎回買ってくれそうなお客さんが来てくれる?100枚、200枚くらいならすぐに無くなるかもしれないが・・・。
この自主音源の在庫の問題について、バンドがAmazonで販売チャンネルをもつことがひとつの解決作にもなり得る。ただし、J-POP系は使えない。DIYシーンに近いジャンルのみが可能な方法だが、それは自分たちの音源を海外レーベル作品とトレードを行いAmazonで販売するというやり方だ。
そこそこ有名なバンドであればAmazonに既に商品情報が登録されてるが、マイナーバンドはされていない。しかし事業者コードを持っていればマイナーバンドのどんな作品だろうと商品登録して出品することが可能ということだ。これは法的には何の問題もない。ここではバンドはバンドではなく再販業者(=ディストリビューター)としての役割を果たす事になる。たとえば取得した事業者コードの500番以降をすべてトレード音源を販売するためのコードにしてしまえば良い。CDプレスは一枚あたり高くても原価300円くらいだろうからトレード輸入したCDを1500円ほどで設定すればAmazon手数料を差し引いてもメリットはあるだろう。
作品のトレードはたとえ販売しなくても自分たちの好きなレーベルとトレードができるならそれだけで利益とも言える。プレスした音源と、海外音源を物々交換、素敵じゃないですか。海外レーベルとの繋がりもできますし、もしかしたら向こうからリリースの話ももらえるかもしれません。

②大口出品アカウントで全てを自動化
大口出品のアカウントで最も魅力的なのがフルフィルメントというサービスだ。
これはAmazon倉庫に自分の商品用の棚を作ってもらい管理してくれるというサービスで、商品の注文があるとその棚からピックアップ、包装、梱包、出荷まですべてをAmazonがやってくれる。お客さんの支払い方法もクレジットカード以外にも銀行振込、コンビニ払い、代引きなど自由度が広がる。そして自分は在庫が少なくなってきた商品をAmazonにまとめて送りつければ済むというわけだ。梱包や出荷など時間がかかる業務をすべてアウトソーシングすることで、在庫管理と販売手数料は新たに取られるが自由な時間ができ音楽制作により没頭できるというメリットがある。もしCDが多くの人の手に渡って欲しい、利益などいらないというならばこの方法を試してみるのもいいかもしれない。
自分達の音源とトレードした音源をどんどん登録していけばそこそこの金額が定期的に入る様になるかもしれない。

今日ネットでいろいろ調べていたとき、とあQ&Aフォーラムの回答欄にこんな文章がありました。
「バカだからバカは好き。でも何も試そうとしないやつは嫌い。」
与沢さんも自分が経験したことしか理解できないと言っていたし
DIYを目指す過程で色々試行錯誤することが大事なんじゃないですかね。



2014/05/02

趣味と実益を兼ねる音楽取引販売(Q&A)

以前からバンドが音源をつくり、販売し、DIY活動のサポートになればと思って書き溜めていた文章があったのですが、
先日お世話になっている人から音源販売に関する質問があったのでそれとは別なのですがQ&Aという形で掲載します。
後日記事は音源(レコード、CD)の制作から流通、マーケティングに関して↑のタイトルでまとめるつもりでいました。
※「商品登録」と「商品出品」の意味が明確に違いますのでご注意ください。

Amazon販売に関してのQ&A

Q1.バーコードを取得する必要って本当にあるの?

A.ある。
正確にはバーコードではなく事業者コードを取得する必要がある。
それは卸業者にCDのディストリビューションを依頼するためではなく、自らの手でCDを売るために必要だ。

事業者コードの取得の方法については以下のようなブログなどでネット上にいくらでも紹介されている。
http://pronama.azurewebsites.net/2013/06/09/jan-code/
費用は13000円くらいで、一回取得すれば999点まで登録できるので数バンドでお金を出し合ってもいいと思う。
各バンド001〜099、101~199、201〜299と割り振っていけば最大9バンドで事業者コードを分け合えるだろう。

それはともかく何故事業者コードが必要かというと、Amazonで販売するために商品のコードが必要になる。
"卸業者を通してAmazonに卸す"のではなく"Amazonで顧客に直販する"のだ。
大きなメリットは3つある。

①委託販売だとたいてい7掛け(30%が販売店の取り分となる)だがAmazonの手数料はいろいろ差し引いても20%前後、
つまり買取や委託で店に展開するよりもずっと利益率が良い。
②販売分は2週間毎に精算される。
委託販売は精算までの期間が長くなるケースが多いためキャッシュフロー的にも健康だ。
③新規顧客獲得のチャンス
直で音源を取り扱ってくれる店だけでなく世界でもっとも利用者の多い音源販売サイトとしてAmazonを利用しない手はない。
気になるバンドがいたらとりあえずAmazonで買えるか検索したことはないだろうか?
バンド自身のウェブサイトでの販売は既存のお客さんにはPRできるが新しいお客さんを開拓するという点では弱い。
店舗やディストロへの委託はもちろん新規開拓には有効だが、Amazonの利用者数は他の店舗を圧倒的に凌駕する。
発売直後の購入層は主に既存顧客となるだろうが、それ以降は新規層がメインになるはずである。
「いかに新しいお客さんへリーチするか」は常に考えるべき命題だ。

CDの価格はいくらだろうか?
仮に1500円だとしても10枚も販売すれば、事業者コード取得の費用は回収できる。
また次の作品をリリースするときは002からコード使うだろうから商品コードでは追加の費用は発生しない。
継続的に作品を発表していくことを考えた場合、そのリスクは本当に微々たるものだ。
ちなみに3LAもIctusのディスコグラフィからAmazonで販売を開始したが3日以内で費用は回収している。

Q2.バーコード取得しないとどうなる?

A.とくにどうにもなりませんが、Amazonに商品を登録することができないので上記のメリットを失います。
商品コードが存在しない場合、Amazonでの販売は諦めることになります。

Q3.Amazonのアカウントを持てば誰でも出品できるの?

A.誰でも出品はできますが、商品登録ができません。
Amazonでオリジナル商品を販売する場合、簡単に言うと
①商品をAmazonのカタログに登録(商品コードが必要)
②カタログに掲載されている商品を出品
という2ステップが必要になります。
商品登録をするには「大口出品」のアカウントを申請する必要があります。
Amazonの出品には「小口出品」(個人向け)と「大口出品」(企業向け)があり商品登録ができるのは大口出品のみになります。
小口出品は月額利用料無料ですが、大口出品は月額4900円の利用料が請求されます。
ただ、そこには抜け道があるので月額4900円を払い続ける必要はありません。
我々が必要なのは②のカタログ掲載されている商品を出品する方がメインになるので以下2通りのやり方があると思う。
個人的にはBを推したい。
A.作品のリリースのタイミングだけ大口出品にアカウントを切り替える。(対象月のみ4900円を請求される)
B.新規アカウントを作ると大口出品が3ヶ月無料になるので商品登録用の捨てアカウントを作る。(Amazonセラーセントラルのトップページを要参照)
三ヶ月経ったら退会し、新規アカウントを立ち上げる。
こちらのアカウントでは商品登録専用にして、バンドの公式アカウントは別に作成、そちらは販売専門にする。

Q3.Amazonの販売手数料ってそんなに安いの?

A.だいたい20%。
大口出品にはしない前提で考えているのでそれ以上の費用は発生しません。
Q1でも回答していますが店舗に委託するよりずっと良いです。
必要なのは発送の手間だけです。
そんなおいしい話があるのかといわれますが、ECサイトの手数料はそんなもんです。
ちあみに楽天は出品規模にもよりますが約8%、Yahooは約15%くらいなのでAmazonは実は高いんですよ。
楽天、Yahooは月額使用料が5万とかいくんで月額でみると高いですけどね。
Amazonは月額が安くて手数料の比率が高いんですね。

あとAmazonで買ってくれた人に対して感謝状を同封したり、他のフライヤーとかライブ招待とか
個人対個人になるから色々考えればできると思います。
そのあたりは各自の工夫に任せるとして、今回はこんな感じで終了します。
質問があればお気軽にどうぞ。

追加で質問きたのは以下、あとでAmazon編としてまとめよう。

Q4.Amazonの大口出品と小口出品の違いは?

http://services.amazon.co.jp/services/sell-on-amazon/individual-promerchant.html
まさにAmazonが提供している比較ページでその機能を確認できる。
月額プランは商品登録をするために必要なもので、小口/大口の切り替えは一ヶ月単位で可能だ。
上で説明したような3ヶ月の無料アカウントで登録するようなやり方が好きではない方にはやはり商品登録の時期だけ大口出品アカウントに切り替えてもらう他ない。
大口出品するとAmazonに出品者情報が掲載されたりとお客さんの安心感も違うと思うけどそのあたりは見込み販売数との兼ね合いです。(見込み数をたてずに出品することはおすすめしない)

Q5.アカウント新規作成で大口出品3ヶ月無料のキャンペーンてなくならないの?

A.ここ数年ずっとやってますが、いきなりなくなる可能性はあります。

Q6.バーコード無しで商品登録できるやり方がネットに掲載されているけど?

A.商品によっては可能ですが、いずれも大口出品の場合のみで
さらにCDや本などはできないです。
工業製品だったり輸入品だとバーコードなしでもcsvで一括登録できたりしますが
こういうメディアモノは基本的にNGとなっています。